コスタリカへ行く
2012年2月、グァテマラからコスタリカへ向けて出発。午前3時に起床しシャワーを浴びて目を覚ます。空港へ向かうが早朝なので閑散としている。何か食べたいところだがまだどこも開いておらずベンチに座って待つ。マクドナルドが早くに開店したのでチーズバーガトジンジャエールで済ます。どこで食べても同じメニューしか頼んでいないもんだ。
機内からグァテマラを眺めながらあっという間の時間を振り返る。もっとじっくり回ってみたい国だ。上空から火山を見ると本当に遠くまで来たなと実感する。
約2時間ほどでコスタリカへ到着。空港はとても清潔感があり花やかでジャングルツアーの広告がたくさん見える。生態系が豊かな国という印象が強く、いつか行ってみたい国だったからワクワクしていたのだが今回は農園のみ。空港から出るとアテンドしてくれる方々が待ってくれていた。
車に乗り込み車内で挨拶を交わし本日の予定を聞く。このまま真っ直ぐ農園や精製工場を回る。とにかく太陽が眩しかった。
サンホセ郊外の街でミネラルウォーターを買う。外国へ行くと手軽な飲み物はミネラルウォーターに変わる。ここはどんなお水なのかも楽しみの1つになっている。
街と農園や精製工場がそれほど離れることなく隣接しているイメージだった。広々としたパティオでパーチメントが敷かれている。
水洗工程を見学。甘酸っぱい香りが辺りに漂う。水の管理も徹底されており、これはコーヒー豆の品質につながる箇所でもあるのでしっかりとなされているようだ。
テンポよく近くの農園に行く。農園内は少し涼しかった。収穫時期に重なっておりピッカーさんが集まっていた。
愛想の良い家族が笑顔で迎えてくれた。ここでもキャンディは大活躍してくれる。
さらに移動。果物屋さんがチラホラある。味見して回りたい。
街の洋服屋さん。
お昼近くに公園でトイレ休憩。若者は若者らしくたむろする。
公園では老若男女が思い思いで時間を過ごしていた。穏やかな時間が流れている。
お昼ご飯を食べる。バイキング形式で好きなものを選んで食べるのだが思いの外ハエが多い。パイナップルジュースの美味しさに驚いた。もちろんおかわり。
さらに移動。小さな精製工場を視察し話を聞く。
ここではボイラーに焚べる薪はカットバックしたコーヒーの木を使っていた。
一路サンホセへ戻り商社でカッピングをする。じっくりコーヒーと向き合うのは集中力を使うが楽しくも厳しい時間だ。
今回アテンドしてくれているラファエルさん。きめ細かい配慮があり優しくてとても紳士だ。
COEのカッパーをしてたという方にカッピングの感想を聞かれてドキドキする。スペイン語と英語で聞かれるのだが上手く答えるのは困難だ。片言の英語と挨拶程度のスペイン語でも真剣に接してくれることに感謝した。一緒にやろうとジェスチャーで誘われて彼の後についてカップをとった。カッピングは人それぞれのスピードとタイミングもあると思うが、考えるより感じられることが何よりも大切なことかも知れないと思った時間。
カッピングを終える頃には日が暮れていた。気が付けばこの日は目紛しいスケジュールだった。
ホテル着。夕食はブラジル料理屋さんへ行きシュラスコを食す。世界は広くて大きいと思った夜。
翌朝5時に目を覚ます。窓の外でけたたましくなく鳥たちの声が何だろうと薄暗い外を観察したらインコだった。インコの群れがホテルの中庭のプールサイドや樹々に止まっていた。日陰は少し肌寒いのでシャワーを浴びて朝食の集合場所のロビーへ。朝食はフレンチトーストとコーヒー。
この日は少し標高の高い場所へ向かう。サンホセから2時間弱、山道をうねうねと走る。
オレンジ色の花が木に咲いている。何の花なのだろうか。
そろそろ農園らしく細く未舗装の道に入る。空が高く空気は澄んでいる。
山の斜面がコーヒーとバナナの木でいっぱいだ。
高低差のある斜面を歩いて降りる。結構な下り坂で帰り道を心配しているとトラックやってきて荷台に乗せてくれた。
乾いた路面はゆっくり走っても土煙が舞う。かなり揺れながらガタゴトと進むといつの間にかコーヒーに囲まれていた。
小粒だがしっかりと実がなっている。
収穫作業を見せてもらうがコーヒーの木に隠れて摘み取りはもとよりピッカーさんも隠れてしまう。ここではニカラグアから出稼ぎで収穫に来ているとのこと。飼い犬だろうか尻尾フリフリでついてくる。かわいい。
黄色のコーヒーチェリー。ここの農園はどんな香りや味わいが、質感はどんなだろうと想像する。
園内は綺麗に管理されている。小鳥のさえずりやそよ風がなんとも心地よい。
どんどん奥へ進むと熟度の高いチェリーを見つけて口に入れると濃厚な甘さを感じるチェリーだった。
コーヒー豆の品種は様々あり、葉の形や枝のつき方などで分かってくるらしいがなかなか一朝一夕では憶えるのは大変だ。
農園を堪能した後は精製工場へ行きカッピング。サンホセの街が見える。
摘み取ったコーヒーチェリーをトラックから降ろしどんどん箱に落とし込む。赤や黄色も混ぜているので少し驚く。コーヒーのグレードとスペシャルティコーヒーの考え方が頭をよぎる。
ここでもカッピングを少々。時間を押しているのでリズミカルに行う。
続いて他の商社へ向かう。色とりどりの花や壁に描かれた絵を眺める。
商社に到着し設備の説明を受ける。精製方法の違いを間近で見る。
さらにカッピング。結構な量をこなす。カッピングは勢いよく息を吸い込むので2時間くらいかけていると軽く頭痛がする。素晴らしい体験ができたことには違いない。
カッピング後にカップした農園へ向かう。こじんまりとした路地を抜けると下町のような雰囲気がある。
ここではシェードツリーに対しての考え方を聞いた。陽射しのコントロールをあまりしないでコーヒーの木にある程度のストレスを与えることで生命力を高めるとのこと。葉は肉厚に感じる。
サンホセの街が見える農園。夕景が美しかった。
農園近くの精製工場へ。ふんわりと大きな雲が垂れ込めてきた。
気分転換にカメラのレンズを交換する。視察の時は勝手にうろうろと歩けないので大抵は車内からの撮影が多い。レンズ交換すると新鮮な気持ちになる。
寝不足と旅の疲れがどっと押し寄せてきて少し堪えてた。夕暮れの異国の綺麗な景色が寂しく感じたりする。車内から夢中でシャッターを切った。ホテルに戻り夕食を取りゆっくりと休もうと思ったが、ホテルに併設されているカジノへ行こうとなった。残ったコスタリカ コロンで少し遊ぶことにした。使い切ろうと思ったら少し増える。嬉しいがもう夜中だ。明日はコロンビアへ向かう。体は疲れていると悲鳴を上げていたがなかなか熟睡できなかったので、日本を出る前にもらってきた睡眠導入剤を飲んだ。こちらに来て初めて6時間眠れた。
翌朝6時起床し。体調も回復した。思えばコスタリカでの滞在はあっという間だがかなりハードスケジュールだった。とにかくカップの取り方がずいぶん分かってきたように思う。振り返れば良い体験をしたと感じる。朝のインコの鳴き声も爽やかに聞こえるので外に出てみると色々な鳥がいた。ジャングルツアーのセスナ機がたくさん飛んでいる。また来ようと決めてスーツケースの整理をした。そしてここにカメラのバッテリーを置き忘れた。
空港へ向かう前に昼食をとる。シェビーチェが美味しいお店ということで案内された。シェビーチェがは魚介と野菜をマリネしたものだがさっぱりとして本当に美味しい。ライムの香りが爽やかでおかわりしてしまった。もちろんパイナップルジュースも2杯頂く。その後は空港へ到着しコロンビア ボゴタ行きのフライトを待つ。